卒業論文5/提出
先日提出した卒業論文「自己意識の展開――神の存在証明を手掛かりとして――」をアップロードする。註と参考文献は文末にまとめてある。また、このアップロードするにあたって、引用中の傍点による強調をすべて太字による強調に変へた。
梗概(約400字)は次の通りである。
本稿では「神の存在証明」とそれに対する歴史的批判を材料として、無限進行の相において現れる自己意識(自己対象化)の展開について記述と説明を加へる。
具体的には神の存在論的証明の典型と言はれるアンセルムスの証明を取り上げ、観念的に自己分裂し系列化する視点としての《私》といふ理論的装置を導入しながら、独自の解釈を施して考察を進めて行く。また、神の存在証明に対する批判として、ガウニロによる批判とカントによる批判とを取り上げ、《私》論と突き合はせて検討して行く。
本稿の結論は神への思惟を進めて行くと、自己対象化によって無限進行に陥るといふことであり、これは神の認識に至り得ないといふ意味で不可知論としての側面と自己知が完成し得ないといふ意味での自己形式化の限界を示してゐる。しかし、これは《私》といふ抽象的な装置の限界によるものである可能性があり、そこに課題が残ってゐる。
梗概は以上で、以下に本文を掲載する。
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