自己批判
有効な批判は自己批判でなければならない。
といふのも言葉はかならずしも認識を完全に表現するわけではなく、或る主張に対する批判はその主張を行なふ当人自らが行なふのが最も誤解が少なく、正当な批判になるであらうから。
或いは自己批判しない人々に対しては何を言っても無駄であり、その人々の考へ方を変へさせることはできない。つまり、他人からの批判が無効になるわけで、自己批判を介さなければ如何なる「批判」も有効なものとはなり得ない。
これは必ずしも世の中に自己批判的な人間とさうでない人間がゐるといふことを意味しない。他人から多くのことを「批判」されても、大抵はごく僅かな部分しか受け入れることができないといふ意味である。といふのも、他人からの批判は誤解によって的外れになってゐる場合があるし、さうでなくとも、自分にとってそれを「的外れ」と見做せる場合にはさう見做した方が気持ちがいい場合が多いからだらう。
【約400字】
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